2019年2月の例会は内容盛りだくさん!
## 本日の予定
2月例会は以下の内容でお送りいたします。
やることがありすぎて、通常月であれば13時開始のところ、11時開始となっております。
役員より連絡事項伝達
わたこん
お昼休憩
写真展出品作ダメ出し
ゲスト講師、公文健太郎先生による技術向上セミナー
## CPプラス最終日3/3日曜開催
2月後半から3月前半のCPプラスに顧問の小澤先生のイベント出演に乗っかって、インフィニティ主催のイベントを開催します。
日時は3月3日(日曜)です。フォトコンやります!豪華賞品付き!
当ブログ読者のみなさまもぜひぜひお越しください。
スマホで撮った写真でもオッケーですよ。
## 業務連絡
お泊り撮影会、募集開始のお知らせ。
写真展について写真展委員長より伝達事項の通知。
## K林さん個展開催
コンテストの入賞経験も豊富な腕利き会員のK林さんが、なんと京橋のフジフォトギャラリーで3月に個展を開催されるそうです!
きっとすごくいい展示になると思います。
## 年度賞授与式
2018年末に行われた年度賞フォトコンの受賞者表彰式です。
2018年、年度賞受賞者はなんと。
東京Infinity代表S原ぴろち。
ごめんなさい「なんと」などと失礼ですね。
とっても印象的な素敵な作品でした!
誰よりも多くのいいね!を集めた結果です。小澤先生と熱い固いハグ。
ぴろち代表、おめでとうございます!
続いて上位入賞者の表彰。
K林さん
S藤さん
N岡さん
I部さん
T田さん
M原さん
S藤さん
I川さん
受賞常連者達や…!
## わたこん
さて次は、2019年、鳴り物入りで始まった新企画「わたこん」 。
「わたこん」とは?!
「わたしってこんなひと」の略で「わたこん」です。
各自20分という時間枠にて、自分の写真を使い、自分自身がどんな人なのかを、聞く人に説明するという企画であります。
20分の使い方は各自自由。
とにかく20分間、自分の言葉と写真で、自分を説明し尽くすというもの。
2月のプレゼンターは I部さんとN岡さんの2人です。
## I部さんの回
I部さんが写真をスタートしたきっかけは健康のためです。
最初はわけもわからずテーブルフォトから始めたのですが
そのうちテーブルフォトを撮るのが苦しくなってしまったそう。
しっくり来るる写真を求めて佐藤かな子先生や中村陽子先生、諏訪先生と、様々な先生について写真を学んで行った勉強熱心なI部さん。
その後満を持して宿題も多く厳しいと評判の小澤先生の教室へ。
I部さんの個性的な写真は、書道、彫塑、彫刻など、写真以外のアートに惹かれる性分からなのでは?と自己分析。
ついついデザイン的なものに目が向くのだそう。
多重露出など、写真的なテクニックをよく使うのも全ては感じたことを表現するため。
都会の雑踏が苦手で田舎の風景を撮ると落ち着くI部さん。
現在はお母様のために、美人林など、郷里新潟の写真集を制作しています。
まじめなI部さんのお人柄が伺われるプレゼンでした。
## N岡さんの回
写真だけでなく、文学や旅行、食べることも大好きだというN岡さん。
すごい写真の束。
もちろん写真活動も精力的に行っていて、アートディレクターの三村漢さん主催の「写真集を作る」講座で写真集を作ったり、グループ展に参加したり、ご自身で個展を開いたり、と八面六臂のご活躍。
これは個展開催の際に制作した展示設計図。
とっても精力的に写真を楽しんでいます。
最近は「撮ること」よりも「作ること」が楽しくなってしまって、手作り写真集の製本まで始めちゃいました。
旅行の写真もよく撮られるのですが、そこで感じることは、その場の空気をまるごと持って帰りたい!ということ。
旅行先で撮ってきた写真は全部、N岡さんの大事なコレクションなのだそうです。
出会った人と対話することがコンセプトで、嫌がる方を無理に撮ることは絶対にない、のだとか。
人の美しさや尊厳を写真にしたいと言います。
撮られる人へのアプローチや声掛けの手法も、通り一遍ではなく、訪れた市場の空気を見て、その都度変えていると言います。
「ストリートフォトは筋トレと一緒で、しばらくやってないと腕が鈍る」
N岡さんの教養、行動力、人との関わり方、恐れいりました!
素晴らしい写真の背景には、数や量や行動や思考など、底知れぬバックグラウンドがあるのですね。
## お昼休憩
午前中から開催の長丁場のため、今回はみんなで揃いの弁当を頼んでみました。
名付けて「チャット・ランチョン」です。
## 写真展準備活動
休憩後は今年予定している写真展の準備活動。
各自のテーマを膨らませるべく、自分の作品を持ち寄って、講評を受けます。
メンバーにより進捗具合が異なっているし、目指す方向や頑張る部分が違っていて、誰もに共通の処方箋はないのが難しいところ。
今回のテーマもまた一筋縄ではいかないやっかいなテーマなんです‥
講評で飛び出した言葉を少しだけお伝えしますね。
どんな展示を目指しているか想像してもらえたら幸いです。
「表側を見せるか、裏側を見せるか。
感じさせたいのはどっち?」
「光が違う。」
「何を大事にするのか。
大事なのは信念。」
「汗、背景、ライト重要。」
「背景も光もぬるい。」
「あんまり語ってないのがいい。」
「なんか切ない。」
## 公文健太郎先生 技術向上セミナー
最後は写真家公文健太郎先生によるセミナーです。
Infinityでは年に2回程度、外部の講師の方をお招きして写真についてレクチャーしていただきます。
最近は日本の農業や土着的なものをテーマに作品を制作されている公文先生。
どんな講義をしていただけるのか?
私の印象を言いますと‥公文先生は、なんかすごかったです。
身体能力が高くて、体育会系で、パワーの固まりで、瞬発力があって、なおかつ鋭い洞察力で、頭キレキレ、みたいな。
写真家だけど、新進気鋭、急成長中のベンチャーの社長のようにも感じました。
とにかくただものじゃないオーラでいっぱい。
1時間という短い時間に、思い切り要素を詰め込んでくれて、大変充実した時間を作ってくださいました。
倍速で密度濃く生きてる公文先生に、なんとかがんばってついて走った1時間、という感じです。
## 写真を読み解くプチ講義
セミナーは最初からスパルタ。
公文先生の作品を見ながら、そこから読み取れることを言っていくのです。
はい、わかる人は手を挙げて!
公文先生、ばんばん当てて来ます。
これは写真集「耕す人」の冒頭の作品。
藤の花がきれいだな、という初動で撮った作品ですが。
後に、自分で見返して、
「はっ!」
とされたんだとか。
藤の花がこんなんになってるってことは、この家、誰も住んでない、空き家なんだな。崩壊して行くんだな。
撮影地は千葉。
くねくね道が面白いな〜、と何気なく撮ったのですが、これもまた後で
「はっ!」
とした作品。
道の右は耕作放棄地、左は農地。今は畑だけど、左側の方も農地をやる人がいなくなったら
まとめてどこかの大規模な経営の農場になるだろう。その時には、この趣あるくねくね道もなくなっちゃうんだな…!
串柿の里です。
この写真の重要ポイントは何?そう、モヤ。
だけど、柿的にはモヤはアウト。商品、食品としての柿の価値を下げる。
かつてはモヤなんか出なかったけど、気候温暖化で美しい霧が出るようになってしまいました。
背景を知ると、写真の見え方が変わってきます。
最近はアマチュアの人もみんな写真が上手だと公文先生は言っておられました。
だから、これからは上手に撮ることではなく、どんな写真を撮っていくかを考えなきゃいけない。
## 2分で取材、30秒でプレゼン
さて、どんな写真を撮るか?
そのために、全員起立。
公文流ワークショップ開始です。
隣り合わせの2人で組みを作ります。
2分間で相手のことを取材する。出身地などを、とっかかりに、後でどうまとめるか、考えながらいろいろ聞く。
その後2分でまとめる。
30秒で取材相手を魅力的に紹介する、という内容。
なかなか難しい。
いろんな能力が要求されますね。
写真のワークショップだけど、セールスコピーライティングの授業みたい!
実践後、何組か発表した中で高評価だったのが、
「とにかく千葉!」
と出身地千葉を連呼した組。
「ハズキルーペのCMみたいでいい!」
いや、ほんとベンチャー企業の人事研修みたいかも…
でも、これは写真を撮るための、人を撮るためのトレーニングなんです。
なぜか。
写真にはストーリーが必要だからです。
その人のストーリーを知らないと、写真が撮れない。
公文先生曰く、そしてまた撮影する自分自身のストーリーも大事。
写真は下手でもいいので、ストーリーが広がる写真を撮り、自分の中で興味のあることと結びつけてストーリーを作れるようになると、いずれ大作家になれる気がしますよ、だって。
「ストーリー」。
この言葉がとにかく何回も飛び出しました。
## 知らないおじさんのポートレート
ところで、実は我々、一週間前に公文先生に宿題を出されておりました。
それは「日本のおじさん」の写真を撮ること。
それも「知らないおじさん」でなくてはならない。
苦労しましたよ。
そして例会では各自撮ってきたおじさんの写真にその場で「〇〇おじさん」と題を付ける。
付けたタイトルにもダメ出しです。
見ればわかるタイトルじゃ面白くない、と。
で添削。
例えばこんな感じ。
「ハートのメガネかけたおじさんの写真に『ハートのおじさん』じゃ面白くないでしょ」
「このおじさん、どこにいたの?」
「自動販売機の前」
「どこの自動販売機?」
「裏原の」
「じゃあ、『裏原のおじさん』ってした方が面白いじゃん」
…めちゃくちゃ勉強になりますね。
なんで、おじさんを撮る練習をしたかと言うと。
おじさんは人の中でいちばん撮るのが難しい生き物だから。
あえていちばん難しい被写体で練習させられたわけです。
人を撮るにはその人を知る必要があり、ストーリーを知る必要があります。
冒頭に行った2人組相互紹介ワークショップもその訓練です。
人を撮るのは苦しい。撮るには覚悟がいる。
でもその覚悟や経験が、他のジャンルを撮るときにも生きてきます。
覚悟を持つ練習を繰り返すと、他のジャンルにも必ず生きてくる。
だから、風景を撮る人も、飛行機を撮る人も、人を撮った方がいいんです。
公文先生が教えてくれたのはそういうこと。
## 秘密の公文先生最新作品公開
さて最後に現在撮影中の公文先生の最新作品、我々にだけこっそり公開していただきました!
残念ながらここではお見せできませんので、かわりに公文健太郎語録をお届けしますね。
「おじさんは最も撮るのが難しい。でもおじさんほど可愛い生き物はいない」
「僕本当は人見知りなんです。コーヒー飲んで本読んでたいんです。」
「撮れてるかどうか不安でたまらない方が、写真はもっと撮らなきゃという気になる」
「カメラを変えると写真は変わる」
「接写がきかない不自由なカメラであえて撮っている。
接写がきくとつい接写を使っちゃうから。手と顔ばっかり撮りがちになる。」
「(フィルムを一度やった方がいいかという質問に答えて)暗室はやった方がいいと思います。」
「人を撮った時に大事なことは、その人が撮られてよかったと思うこと。」
バシバシ弾が飛んできて、答えも予測できないし、緊張感ある技術向上セミナー by 公文健太郎、
でもすごく面白くて、新鮮で、考えさせられて、気付かされた1時間でした!
別れ際に公文先生は
「スパルタ過ぎたかな?」
と心配されておられましたが、ご安心ください。
東京Infinityは写真界でも定評あるドM集団ですので(笑)
強めの当たりには皆慣れております。
公文先生、素晴らしい体当たりのセミナー、本当にありがとうございました。
## 集合写真
本日も盛りだくさんの内容にお付き合いいただいちゃいました。
重ね重ね公文先生ありがとうございました!